つわりのピーク時期は、妊娠初期のホルモンバランスが大きく変動する影響で、食べること自体が苦痛に感じる妊婦が少なくありません。特ににおい、食感、温度に対する感受性が鋭くなるため、普段は何気なく口にしていたものが急に食べられなくなることもあります。このような時期に少しでも体調を楽にするためには、食べやすくて負担にならない食品を選ぶことが大切です。中でもゼリー、炭酸水、冷たい果物は多くの妊婦から支持されている食材であり、その理由には明確な根拠があります。
まずゼリーは、つるんとした喉ごしと冷たさが吐き気を和らげてくれる点で非常に優れています。固形の食べ物が受け付けられないときでも、ゼリーであれば喉を通りやすく、冷蔵庫から出してすぐに食べられる手軽さも支持される理由です。また、胃に負担が少なく消化もよいため、1日の中で何度かに分けて摂取するのにも適しています。
炭酸水は、胃のむかつきや膨満感を軽減したい時に効果があるとされます。炭酸による胃の膨張でげっぷが促されることで、一時的に胃の圧迫感が和らぎ、気分が落ち着くという声も多く聞かれます。においのない無糖タイプの炭酸水を選ぶことで、甘ったるさや後味の不快感を避けることができます。特に冷たい状態で飲むと、においが気になる時でも比較的飲みやすいという点が利点です。
冷たい果物は、つわり期の水分補給とビタミン摂取の両方に役立ちます。たとえばスイカ、リンゴ、キウイ、グレープフルーツなどは、酸味と冷たさが気分をリフレッシュさせる効果もあり、食欲がない時でも口にしやすい傾向があります。果物に含まれるクエン酸やビタミンCは、疲労感やだるさを和らげる効果も期待され、夏場や胃が重い時には特に重宝される食材です。
以下は、つわり中におすすめされる食材とそれぞれの特徴、注意点をまとめた表です。
食材名
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特徴
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期待できる効果
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摂取時の注意点
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ゼリー
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喉ごしがよく冷やして食べられる
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吐き気軽減、喉の渇き対策、少量で栄養摂取可能
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添加物が少ないものを選ぶ、常温より冷たい方が良い
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炭酸水
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においがなく刺激が少ない
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むかつき緩和、胃の圧迫感軽減
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甘味料入りは避ける、飲みすぎるとお腹が張ることがある
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スイカ
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水分が多く冷やすと食べやすい
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水分補給、熱っぽさや倦怠感を抑える
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一度に多量摂取すると身体が冷えすぎる可能性あり
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リンゴ
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食感が軽く酸味が程よい
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ビタミンC補給、口の中の不快感を和らげる
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固いままではなく薄くスライスすると食べやすい
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グレープフルーツ
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爽やかな酸味で気分転換になる
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食欲回復、消化促進、精神的リフレッシュ効果
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空腹時の摂取で胃酸過多になる場合もあるため少量から試す
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このような食材は、調理の必要がなく手軽に口にできるものが多いため、体調が優れないときにも無理なく取り入れることができます。ただし、どれだけ体に良いとされる食品であっても、体質やその日のコンディションによって受け付けないこともあるため、無理に摂る必要はありません。何よりも大切なのは、少しでも口にできるものを見つけて、こまめに補給することです。