食べづわり・吐きづわり・眠りづわりの特徴と見分け方
妊娠初期に起こるつわりには、いくつかのタイプが存在します。それぞれの症状には異なる特徴があり、対処法も大きく異なります。自分がどのタイプに該当するかを理解することで、適切なケアを選びやすくなります。
まずは代表的な3タイプについて、特徴と見分け方を以下の表にまとめました。
| タイプ名 |
主な症状 |
見分け方のポイント |
起きやすい時間帯や状況 |
| 食べづわり |
空腹時に吐き気が強くなる、常に何か口にしたくなる |
食べると一時的に楽になる |
朝の起床時や空腹時が特に顕著 |
| 吐きづわり |
食後や空腹時を問わず吐き気、実際に嘔吐が多い |
水分も受け付けず、匂いにも敏感 |
食後や特定の匂いを嗅いだ時 |
| 眠りづわり |
常に眠気が強く、体がだるい |
夜しっかり寝ても日中の眠気が改善されない |
午前中〜夕方にかけて起こる |
症状は単独ではなく、複合的に現れることもあります。たとえば、吐き気が強いにもかかわらず食べ続けてしまう人は、食べづわりと吐きづわりの混合タイプと考えられます。
また、つわりの出方には個人差が大きく、同じ人でも一人目と二人目でタイプが変わるケースもあります。厚生労働省の母性健康管理指針によると、妊婦全体の約8割がつわりを経験しており、妊娠5〜7週頃から始まり、10〜12週でピークを迎え、16週ごろに落ち着く傾向があります。
複数当てはまる項目があれば、そのタイプのつわりである可能性が高いといえます。必要に応じて、婦人科での診断や相談をおすすめします。
医療機関の診断では、つわりの重症化を示す「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と診断されることもあり、この場合は点滴治療や入院を要するケースもあります。目安として体重が妊娠前の5%以上減少したり、水分摂取が困難な場合には医師への相談が必要です。
見極めが難しい場合は、日記やアプリで症状を記録するのも有効です。どのタイミングで症状が強くなるかを把握することで、次の行動をコントロールしやすくなります。
また、下記はつわりの重症度や傾向をセルフチェックするための簡易指標です。
| 判定項目 |
軽度 |
中等度 |
重度 |
| 吐き気の頻度(1日) |
1回未満 |
2〜3回 |
5回以上 |
| 嘔吐の有無 |
なし |
たまにある |
毎日ある |
| 水分摂取 |
できている |
やや減っている |
ほとんど飲めない |
| 食欲 |
普通 |
減少気味 |
まったくない |
| 体重変化(1週間) |
±0kg |
−1〜2kg |
−3kg以上 |
| 生活への支障(家事や仕事) |
なし |
少しある |
動けないことが多い |
つわりの重さや種類を理解したうえで、自分に合った対処法を選択することが大切です。症状が日常生活に支障を来すようであれば、無理をせず早めに医療機関を受診しましょう。
つわりが気持ち悪すぎて助けてほしい時の解消法とセルフケア
つわりがひどくて「もう限界」「助けて」と感じたことがある方は少なくありません。ピーク時には、24時間ずっと気持ち悪い感覚が続き、まともに食事も睡眠もとれない状況に陥るケースもあります。ここでは、そんなつらさを少しでも軽減するための解消法とセルフケアを、身体面とメンタル面の両面から紹介します。
まず、つわりの症状が「気持ち悪い」「吐き気が止まらない」「匂いに敏感すぎて何もできない」といった状態の場合、対処の基本は以下の通りです。
- 食事は少量をこまめに
- 冷たい・匂いの少ない食品を選ぶ
- 水分補給は経口補水液やゼリーなども活用
- 横になるときは頭を高くして姿勢を工夫
- 精神的なサポートを家族や助産師から受ける
とくに「食べられるものだけを少しずつ食べる」ことが重要です。栄養バランスにこだわる必要はありません。実際に多くの妊婦がつわり中に食べられた食品には、以下のようなものがあります。
| 食べやすかった食品 |
理由 |
| アイスクリーム、氷菓 |
冷たくて喉越しがよく匂いが少ない |
| 塩せんべい、クラッカー |
油分が少なく、口当たりが軽い |
| そうめん、冷やしうどん |
つるっとして食べやすく、調味を調整しやすい |
| フルーツ(バナナ、りんごなど) |
甘すぎず、消化に良い |
| 野菜スープ |
温かくしても冷たくしても飲める、栄養補給にもなる |
ただし、脱水症や体重減少が深刻な場合は、早急に婦人科で診療を受け、点滴などの処置が必要になることもあります。
次に、メンタル面のケアも軽視できません。「気持ち悪すぎて眠れない」「いつまで続くのか不安」といった精神的な負担は、つわりをさらに悪化させることがあります。
不安が強いときは以下のような工夫が有効です。
- 同じ経験をした人の体験談を読む
- 毎日の症状を記録し、変化を可視化する
- SNSや掲示板などで気持ちを吐き出す
- 医療機関や助産師に定期的に相談する
とくに「つわりが重い人ほど赤ちゃんが健康」「つわりがひどかった時の子はよく育つ」など、肯定的な情報を得ることで気持ちが軽くなることもあります。ただし、こうした情報はあくまでも個人の感想であり、すべての妊婦に当てはまるわけではありません。
下記は、つわり中に心身をケアするためのポイントを整理したものです。
| 項目 |
ケアの方法 |
| 食事 |
無理して食べず、食べられるものを優先 |
| 水分補給 |
一気に飲まず、こまめに摂取する。常温または冷やしたものが良い |
| 睡眠 |
昼寝も活用。眠気に逆らわず、しっかり体を休める |
| ストレス解消 |
呼吸法・アロマ・軽いストレッチなどでリラックス |
| 情報収集 |
医師監修の記事や、信頼できる医療機関サイトから確認 |
限界を感じたときに「助けて」と言える相手を確保しておくことも大切です。パートナーや親、職場の理解を得るためには、自分の状態を言語化することが必要です。
つわりは永遠には続きません。現在のしんどさに寄り添いながら、適切なセルフケアで乗り越えていくことが可能です。苦しいときこそ、正しい知識と支援を頼りに、心身ともに無理をしない日々を過ごしてください。